不動産を売却した際に行う会計処理では、「仕訳」を行います。
適切に仕訳を行わなければ、仲介業者や不動産の所有者である個人にも影響が出てきます。
そこで今回は、仕訳の方法や具体的なパターンを解説します。
不動産を売却したときの仕訳の3種類のパターンについて
不動産の売却における仕訳には、大きく分けて3パターンがあります。
・土地と建物の両方で売却益が出るパターンです。
土地と建物それぞれの売却額が簿価(帳簿に記載される純額)よりも高かった場合に行う仕訳となっています。
このパターンでの課税売上は、建物自体の価格と建物の固定資産税売却益(売却時に得られる利益)を合わせたものとなります。
・土地と建物の両方で売却損が発生したパターンです。
土地と建物、それぞれの簿価よりも売却額が低い場合に行います。
このパターンの場合、課税売上は建物の代金のみとなります。
・土地が売却益、建物が売却損となるパターンです。
このパターンでは、土地の売却額が簿価よりも高く、建物の売却額が簿価よりも少ない際に行う仕訳です。
土地の売却額が非課税対象となり、課税売上は建物の売却代金のみとなります。
不動産売却時の各仕訳パターンの具体的な仕訳方法
まず、土地と建物の両方で売却益が出たパターンでは、土地の売却代金が非課税売上、固定資産税売却益(土地の簿価と売却額の差額)が不課税となります。
そして、建物+建物の固定資産税売却益のみを課税売上として仕分けます。
次に、土地と建物の両方で売却損が出たパターンにおいては、売上損が非課税対象です。
土地と建物で売却益が出た場合は、建物の固定資産税売却益も課税売上となりましたが、このパターンでは建物であっても売却損が非課税対象となります。
つまり、建物の販売金額のみが課税対象となり、簿価との差額(売却時に出た損益)のみが非課税です。
最後の土地が売却益、建物は売却損となるパターンでは、土地の売却額すべて(簿価との差額も含め)が非課税となります。
そして、建物の売却額が課税対象、建物の固定資産売却損(売却時が簿価を下回ったときの差額)が非課税です。
まとめ
不動産を売却する際は、建物と土地において税金や損益の仕訳を行わなければなりません。
パターンごとに課税・非課税となる対象も異なるので、売却の際は自身のパターンがどれに当てはまるのかを考えることが大切です。
また、仕訳が煩雑でわからない場合は、不動産や税金の専門家などに相談してみましょう。
適切に仕訳を行えるほか、あとから発生する恐れのあるトラブルを回避しやすくなります。