自宅を売却したいけど住宅ローンが残っている。しかし残債がある不動産でも売却できます。
ただし、その際にはいくつかの注意点があります。
今回は住宅ローンの残債がある状態で不動産を売却する方法と、売却する際の注意点をお伝えします。
住宅ローンの残債が残っていても売却する方法
自宅を売却したくても住宅ローンの残債があると、その不動産に抵当権が設定されている理由から、自宅はお金を貸した側にあります。
残債のある不動産を売却する場合には、住宅ローンの残債を完済し不動産に設定されている抵当権を抹消しなければなりません。
次の四つの方法により住宅ローンの残債を完済し抵当権を抹消できるため、残債のある自宅でも売却が可能になります。
<今住んでいる自宅を売却し残債を完済>
自宅の売却により住宅ローンの残債を完済すれば抵当権を抹消できます。
<買い替えローン(住み替えローン)を利用し売却>
残債を完済できない場合には、残債と新居の購入代金を足した額を借入する買い替えローン(住み替えローン)を利用し自宅を売却します。
この場合は新居の購入資金を準備する必要がありません。
<残債はそのままで新たな住宅ローンを借りる>
新たな住宅ローンの審査に通ると借入が可能になります。またフラット35は残債があっても借入できる場合があります。
それらの方法を利用することで自宅を売却します。
<任意売却を利用する方法>
残債のある住居を売却し抵当権をなくす方法を任意売却といいます。しかし任意売却で自宅の売却ができない場合は競売を行うことになります。
住宅ローンの残債が残っている場合の売却の際の注意点
残債が残っていても売却する方法をお伝えしましたが、その場合にはいくつかの注意点があります。
・売却額が残債より多ければ売却益が出ますので、新居の購入にお金を補充することができます。
また売却が確定した後で新居の住宅ローンを開始するため二重ローンにはなりません。
しかし自宅の売却が決定してから新居を探すことになるので、その間は仮住まいを探す必要があります。
なお自宅の売却額が残債より少ない場合は、差額を補充するため売却とは別に返済資金を用意しなければなりません。
・買い替えローンを利用する場合は、売却日と購入費を同じ日付にしなければなりません。
売却先を見つけておく必要があるので緊密したスケジュールとなります。
場合によっては今住んでいる住居を値引きして売却先を探します。
・残債はそのままで新たな住宅ローンを借りる場合は、新たな借入の審査に通すため新居の購入資金と借り入れる人の信用が必要になります。
またフラット35は残債があっても借入できますが、新しいローンが始まっても残債を支払うという二重ローンが発生する可能性があります。
・任意売却を行うには債権者の協力が必要です。また任意売却を利用すると残債の代わりに借入金が残ってしまいます。
まとめ
今回は自宅の売却を検討されている方に、残債が残っている場合の売却方法と注意点についてご説明しました。
お住まいと返済のお金に関係するお話ですので、実際に残債が残っている状態で売却する際は、専門家の意見をよく聞いてから実施することをおすすめします。